【工事説明チラシ】スペックだけでは伝わりづらい
土木工事には様々な種類や規模があります。
橋の新設や下水道のメンテナンス、道路拡張工事などなど。
どれもこれも私たちの生活を豊かに、便利にするためには欠かせない工事です。
そんな工事を実施する際に、「住民向けの工事説明用チラシ」のようなものを作成して、地域住民の皆様に向けて工事内容等の周知を図ります。
皆さんも、一度は目にしたことがあると思います。
ただ、ひょっとしたら「ふーん」という程度ですぐにゴミ箱行きになってしまい、あまり記憶に残っていなかたっりするかもしれませんね。
もともとは、工事によって騒音が発生したり、何かしらの規制が敷かれたりするため、そのことも含めて住民の皆さんにお知らせしておくことが主たる目的の広報物です。
貴重な広報物として捉える
これは個人的な印象なのですが、そんな工事説明チラシを読んでいるときに、いつも感じることがあります。
なんか、もったいないな~
なにがもったいないと感じているかというと、せっかく住民の皆さんと接触できる貴重なツールにも関わらず、スペックしか書いていないものが多いんですよね。
例えばこんな感じ。
●全長300メートルの高架橋工事をやっています
●**工法で強靱化した安全な橋です
●毎秒*トンの水を運び出すことができます
土木的な専門知識がない一般市民が、この情報を見て読んでなにか伝わるのかな?って。
今、マーケティングの世界においても、スペックやこだわりだけでは伝わらないということが盛んに言われていて、そこには「物語(ストーリーやシナリオ)」だったり「体験」が重要視されています。
まさに、私が師事しているエクスペリエンスマーケティング(エクスマ)の藤村先生が昔から言われていること。
エクスマ的に工事説明チラシを作成するとしたら、どんな感じになるのか?
例えばこんな感じです。
●この道路が完成すると、○○までの所要時間が30分短縮!朝のコーヒータイムをゆっくり楽しめます。
●平成*年に起きたあのような水害から街を守りたい!そんな想いの下水道工事です。
●約○○○年前に栄えたこの街道。この拡張工事で時を超えて街の賑わいを再び。
伝わってますでしょうか?
この工事によって、生活にどのような利便性が生まれるのか?
あるいは、その対象の周辺にどのような歴史があるのか?
などなど、一般市民の方が知った時に「へ~、そうなんだ~」とか「あ~、なるほどね~」という反応が出てくるような内容にしてみるってことです。
そう。「共感」を得るってことです。
もちろん、必要不可欠な情報は記載します。
例えば、工期とか規制の時間、工事主体や発注者情報など。
そのうえで、スペックだけではない、物語、ストーリー、歴史などをうまくミックスさせて、共感を得やすくする。
そんな工事説明チラシを作成されてみてはいかがでしょうか?
工事説明の広報物は必ず作成して配布すると思います。
工事の数だけ市民に伝えるチャンスがあるということ。
その接触チャンスを少しでも活かしていくことで、工事への理解や土木への興味関心が増していくのではないかと考えています。
土木広報ってなにも特別なことをしなくても、このような日常的なことを少し変えていくことでも十分できます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。